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Posted by ミリタリーブログ at

2012年08月08日

ガムは無いか、後で返す。.

親友に「うちなんちゅ」がいる。彼の方がアフロ歴は長い。ドジッ子なわたくしをいつも『てっぽさん!!あきさみよ~』と言う。
そんなに心配してくれなくて良い。41年こうやって生きてきている。
ただ、彼の『てっぽさん!!なんくるないさぁ』は最高に好きだ。本当に大丈夫な気がする・・・あくまで気がする。大体ウマくいかない・・・
そんな彼・・・いや親愛の気持ちを込めて、あえて『ヤツ』と呼ぶが、そのヤツが事情があり、しばらく「うちなわ」に帰る。
ヤツの帰る前日(イヤぁ前日って結構チャレンジな気が)他のうちなんちゅを連れ立っていつもの「琉球バー」に行った。
バーと言っても元居酒屋を改装した「沖縄風 居酒屋」だ。屋号に「バー」が付いているからバーなだけで、とてもオシャレ類いからは縁遠い。
まずは「オリオンビール」でジョッキを鳴らす。こいつらとは付き合いは長いがこうなると半分も言っている事は解らない。
なのに何を言いたいのか伝わってくる。実に気持ちのいいヤツラだ。
次は「マイルド泡盛」のシ-クワサー割り。皆、感心するくらい「指笛」が上手い。
ピィユゥウイ~ピィユュゥ~イ・・・独特な音、波長。実に心地良い。
そして我々の最近の流行。「P‘>@:泡盛」のコーヒー割り。もう何だか解らないが誰か三線を奏でてる。誰かが「あさとやゆんた」を唄ってる・・・ここはドコだ?皆で三板を鳴らして踊ってる。もう、どこだってイイ・・・
すっかり南国気分に酔いしれていると、ヤツが踊りの輪から外れてこちらに来た。
『心配しなくても、必ず帰るからさぁ・・・』別れは確かに辛い。しかし、所用でしばらく故郷に帰るだけなのだからこれは大袈裟だ、と思った。
どうも、わたくしが酔い過ぎて大人しくしていたら、今生の別れを惜しむように見えたらしく、心配になったらしい。
なんて気のいいヤツだ。ヤツのそんなところが好きな理由のひとつだ。せっかく心配してもらったんだから、ここはひとつ乗っかってやろう。
『そうだなぁ・・・じゃあ絶対帰ってくる「安心のカタチ」をくれよ』わたくしも無茶を言う。彼はしばらく考えながら、全身のポケットを探った。
しかし、鍛えられた褐色の身体には白いタンクトップとベージュの単パン。質入れするようなモンはなさそうだ。
こちらをチラッと見て、ニヤリと真っ白い歯を見せてわたくしの右腕を掴んだ。
『てっぽさん!!この時計預かるさぁ!!帰ったら返す』あまりの勢いと酔いにまかせて、わたくしは腕から時計を外し、ヤツの腕にはめようとしたが、太さが違いすぎてはまらなかった。その様子を見ていた他の連中も踊りを止めて混ざってきた。
『ワッターのも!!』とたちまち時計屋の見本のようにヤツの腕に時計が並んだ。
結局、わたくしの時計を選び、壮絶な呑み会は幕を閉じた。
早朝、携帯がけたたましく鳴る。こっちは完全に「てっぽさんの泡盛漬け」だ這うように電話に出る。
『あきさみよぉー!!あさなぁ!!まずい、まずいよ!!』予想通り寝坊したらしい。ある意味安心した。そんなこんなで見送りもできず、
なんとか間に合ったヤツは「うちなわ」に帰っていった。確かに今生の別れではない。戻ってくるのはわかっている。
あの時計を預けたのは、そんな事が心配じゃないんだ。ただ、無事に帰って来い。

そして『お帰り』って言ってやりたいから

ヤツは故郷を離れ知らない街に根を降ろし、すでに人生の半分以上をその地で過ごしている。わたくしには想像も付かない苦労があったと思う。
だからこそ、ここで『お帰り』を言える相手でありたい。

できれば、早く時計返してほしいんだが・・・

Voyage de la vie


ほう。これが名物の・・・スタミナつけて夏を乗り切れ



皆様との幸せな時間がいつまでも続きますように

ではでは  

Posted by てっぽさん at 22:36Comments(2)筆まぶし