スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  
Posted by ミリタリーブログ at

2012年12月13日

何だって少な目 半分の生活 そして荷物は重い 気持ちも重い

やれ年末商戦だsaleだと世間が浮かれている。しかし近所の商店はいつもの夕暮れのていで何も変わらない情景だった。

少しだけ季節が前の話しだ。
わたくしは例によって、こてっぽさん(仮)と激しくも奥ゆかしいスキンシップを楽しんでいると、隣のババァが何やら重そうな荷物を持っていた。
『良かった。てっぽちゃん居なかったらどうしようかと思ってたんだよ』そう言うと、ヒトんちの玄関先にデッカいダンボール箱を置いた。
『何だいこりゃ?』このババァを始め小動物教授や大工のじじぃなど町内の年寄りに関わるとロクな事が無い。
なのでわたくしは慎重に事の運びを伺った。
『こいつはガップリに組んではダメだ。いなしていかなければ』わたくしの長年のカンが働く。どうせドコドコのウチに届けろとか
コレを組み立ててくれとか。最終処分場に持っていけとか・・・思い当たるパターンだけでも疲労感が漂うモノばかりだ。
飼い主の危機を感じたのか、こてっぽさん(仮)も珍しく吠える。それを見たババァは『あら残念。こてっぽちゃんには無いんだよ』

『無いんだよ』・・・だと?つまり、ニンゲン様のみ享受できるブツって事か?喰いモンか?では話しは別だ。

しかし、ここでガッついて失敗したこともある。やはり、ここはひとつインファイトでは無く外から牽制していくのが妥当と思われる。
『んで、こりゃ何なんだい?』うわっ!わたくしバカ!!いきなりタックルするヤツがあるか?どうも、わたくしは生来のインファイターのようだ。
ババァはダンボールのテープをはがしながら『〇〇さんが借りてる畑のおイモだよ』と呟いた。
その姿はまるで昔話の鬼婆が包丁を研ぎながら『見たなぁ・・・』というシーンそっくりで、良くない予感しかしないのであった。

箱が開帳される。なるほど立派なサツマイモだ。聞けば〇〇さんは郊外に畑を借りており、四季折々の野菜を栽培して収量の多いモノは
近所にわけてくれるらしいのだ。そう言えば、たまにコレは絶対に買ったものでは無いなという野菜がウチにあった事を思い出した。
ほう、そういう事ならありがたく頂戴しよう。わたくしはこう見えても(見えないけど)サツマイモの天ぷらが好きで抹茶塩で日本酒のアテにする。
はたまた細切りにし油で揚げ、しょうゆと味醂で甘辛く合わせるのも乙なモノだ。これにはビールが良い。
サツマイモをただ焼いて喰うのも野趣溢れて良いものだが、さすがに酒のアテにはならない。他にもレシピが無いか頭の中を探っていた。

ダンボールのサツマイモを無分別に分けていくババァ。せせこましく選んで、自分だけ良いモノを手にしようとしない
彼女のそういうところに気風の良さを感じ、清々しくも誇らしく思った。

かなり大きなダンボールだったが、いざ分けてみると少ないものだ。でも、まぁ少し足りないくらいがワビサビってヤツだな。
なんて思ったてた矢先。ババァが驚愕の事実を口にする。
『それでね、今度のお休みにさぁ〇〇さんとこの畑を手伝ってやっとくれ』
そう言うと自分の取り分の入った箱を持ち、スタスタと自分の根城に引っ込んでいった。

畑。ハ・タ・ケ!。やったことねぇし・・・しかし日当はもらっちまった。少ないけど。・・・もしかして全部で一人分の日当なんじゃ?
いやっそんな事は無い。ババァに限ってそんなことは・・・ハァ

しかし味は良い。 これから何が待っていようとも・・・

それっぽい画像が無いので「芋る」つながりでw

懐かしいなぁ・・・もうすぐ一年かぁ

Qu'est-ce que tu obtiendras ce temps?


皆様との幸せな時間がいつまでも続きますように

ではでは  

Posted by てっぽさん at 22:22Comments(2)ショート・ショート