2014年08月25日

ノー・マースィ

遥か彼方まで続いている錯覚さえ越しそうな道が目の前に拡がっている。
時折、80km/hで巡航している"国防色のコンボイ"を避ける為、右側の車線に入る。
風にたわむ幌の中の彼らをわたくしは按じた。
走行風はあるだろうが、この暑さの中で幌を閉じた状態は経験の無いわたくしでもその過酷さは容易に想像できる。
何度か"コンボイ"を追い抜き、わたくしは休憩の為に小さなサービスエリアに立ち寄った。
そこには先程追い抜いた"コンボイ"と寸分違わぬ集団が駐車場の一番端に申し訳なさそうに停車し
酷暑の中、テキパキと降車していた。
わたくしは用足しを済ませ、喫煙スペースに足を向けた。
そこにはフィールドでたまに見掛ける色彩だが、明らかに"本物"が紫煙を楽しんでいた。
しかし、彼もまた、どこか"申し訳ない感"を帯びていた。
一般人も数名いたが、誰も腫れ物に触るようなオーラをだしており
わたくしはよくわからない義憤に駆られ"彼"に声を掛けた。
『いやぁ暑いのにお仕事御苦労様です。頑張って下さい』
"彼"を含め皆ビックリしていた。
『あぁ…どうもありがとうございます』
"彼"はリアクションに困っていたが、わたくしは彼のリアクションよりも
周りの一般人の方々にリアクションして欲しかったのだ。
自衛官に限らず、消防士や警察官の彼らに一度も助けられず人生を終える事はあるだろうか?
『消防士や警察官はわかるけど自衛官て無いだろ』
何故言い切れる?直接は関係無くても、彼らは自分の身を呈して仕事をしている。
感謝を述べても、疎ましがるのはお門違いだ。
彼らも我々も人間だ。家族や守りたい人、それぞれ胸に生きている。
しかし、彼らは何ぞの時、自己の大事より、仕事とは言え我々を助け、時にその生命すら尉問わない。
そんな彼らを奇異の目で見ていたオッサンを見ていたら
口をついて出た言葉だった。
ゆっくり休憩を取れる我々と違い、彼らは足早に出発して行った。

「感謝」

それとは違うかも知れない。
しかし、古(いにしえ)より我々 日本人が大切にしてきた
「労い(ねぎらい)の心」
これは絶してはいけない。
そんな事を考えながら、賞味14時間の超強行軍 青森の旅は終わった。

本当は違う事書く予定だったんだけど…
ノー・マースィ

日帰り青森って遠いな




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Posted by てっぽさん at 23:46│Comments(4)筆まぶし
この記事へのコメント
日帰り、すごいですね…

いつコンボイがトランスフォームするか、ドキドキしちゃいました
Posted by ダイゴローダイゴロー at 2014年08月25日 23:50
大甫はん
日帰りの距離としては自己最高記録だな。

そう言えば、わたくしが小学生の頃のトランスフォーマーって
オプティマスじゃなくてコンボイって名前だった気がする。

『私にいい考えがある!!』
いつも特攻ですよね
Posted by てっぽさん at 2014年08月26日 00:04
日帰り兵庫もキツいッス!(;´Д`)
Posted by ムラサメ at 2014年09月01日 20:19
ムラサメさま
お久しぶりです。ずいぶんとお顔を拝見してません…
日帰り神戸ってお金になる方ですね
でも大型だろうが軽バンだろうが
関東から出ると凄〜く遠く感じます
Posted by てっぽさん at 2014年09月01日 22:53
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