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Posted by ミリタリーブログ at

2012年07月31日

成し遂げんとした志をただ一回の敗北によって捨ててはいけない。

以前、書いた事があるが、わたくしの身体はポンコツだ。大きめの骨で大別すると、ほとんどの箇所がボキッとなっている。
覚えている限りで挙げてみると・・・上から右の鎖骨、左のアバラが下から3本ほど、左手首、右ひざ、右足首etc、etc。
別に骨が脆いわけではない。牛乳は中学以来飲まないが、いつだったか骨折したときに骨密度なるモノを計測したら、
常人よりかなり骨は固いらしい。結論『地球や金属のかたまりには挑むな』痛いから。

そんなこんなでエアコンが嫌いだ。しかし、ここ最近は異常なほどの暑さで、室温は優に40℃を超える。それでも、なんとなく
そのまま過ごしていたのだが、あまりの温室っぷりに家族が強行冷却してしまった。以来、寒い・・・っつうか痛い。
うちには柴犬の「こてっぽさん(仮)」がいる。ふだん外にいるが、ヤツの行動を観察すると「暑さとの共存法」を見出せそうな気がする。
さすがに小屋の周辺に日陰をこしらえてやったが、彼なりに工夫している。犬は穴を掘るのが総じて好きだが、柴犬は顕著に穴を掘る。しかも自分の住処の足元を自分がスッポリ入るくらい掘る。すると、小屋が高床式住居のようになり風通しがよくなる。
ヤツの小屋には日よけのシートがあるから、直射日光は遮り、尚且つ風通しのよい、快適な住まいが完成する寸法だ。
小屋に入らない時は、カタカナの「ヒ」の字になり冷えた地面に身体の片面における最大面積を預ける。想像しただけで気持ちよさそうだ。
わたくしも実際、廊下でトライしている。実に気持ちいいが、熱帯夜でもない限り、明け方にはハラが痛くなる。つまりその位冷たくて気持ちが良いのである。
廊下は固くて身体が痛そう?慣れればニンゲンどこでも寝られる。わたくしの数少ない特技のヒトツだ。これは強みだ、と前向きに考えている。

つまり、エアコンに頼らなくても「快適に過ごす」なんてのは出来そうな気がする。慣れと若干の忍耐が必要ではあるが。
思い切って家中のエアコンを停止した。窓を開け放ち、葦簀(よしず)を下げ、実にいい雰囲気だ。日本の夏なのだ。
さすがに冷え冷えではないが廊下やフローリングもまぁ快適だ。わたくしはゴロリとヒの字になり扇子をハタハタあおりながら『いい。実にいい。』と快適を享受していたのであるが、事態は一変する。そう、嫁殿が帰ってきたのだ。
『あー暑い。・・・』と帰って来たそうそう機嫌が悪そうだ。『あれ?エアコンは?』無防備にヒの字になったわたくしを見下ろしながら、雪女のように睨んでいる。『あなたの方がよっぽど涼しそうです』とは口が裂けても言えない。
まぁここはナイスアイデアのプレゼンをしてご機嫌を直してもらおうと、ヒの字のまま向き直り、最高の笑顔で呟いてみた。
『おかえり、暑かったろう? こうやってヒの字になると涼しいんだよ。やってみな』
最高のプレゼンだ。売りたくもないモノを売ったり、効果が無いのに効果テキメンなんてインチキじゃない。自分が経験して最高だと思ったモノを提供している。自信たっぷりに隣りを勧めた・・・が。

『いいよねぇゴロゴロしてればいいんだから・・・』

えっ?裏目った?やっちまったかい?
以来、我が家では廊下でヒの字はこてっぽさん(仮)のみ許される行為として、禁止条例が発布された。
負けんぞ、権力なんかに。絶対にあの快適をとりかえしてやる!!

Toutes les choses confortables sont le même.


ハイセンスな扇子でパタパタ



皆様との幸せな時間がいつまでも続きますように

ではでは  

Posted by てっぽさん at 22:26Comments(2)ショート・ショート