2014年03月21日
やゐゆゑよ
半ばふてくされた生活を送っていると、現実世界から逸脱し"新世界"にたどり着いてしまう。そんな話し
ようやく手に入れた休日。テンションだだ下がりのわたくしは何も手につかずふて寝していた。
八つ当たりに怯える(笑)家族はわたくしを置いてとっとと出掛け
我が家にはこてっぽさん(仮)と二人きりになっていた。
休日らしく遅く起き出し、さらに昼寝。当然、眠りも浅く嫌な夢ばかり頭を駆け巡る。
しかし、意地になって固く目を閉じ惰眠にすがり付く様は、まるで賤ましい餓鬼のようでもあった。
意固地になるのに疲れたわたくしは、いつしか本当に眠り込んでしまい
ようやく安らかな夢の世界へ片足を踏み入れかけた。
『おいっ!!』男が肩口を荒々しく叩く
しかし、不思議とこの声と情景には馴染みがあった。
『おいっ!!』さらに男は肩口を小突く
仕方なく目を開け起き上がる。
突如、天地転回
凄まじい勢いで放り投げられ羽交い締めにされる。
がっちりと首に食い込む鍛え抜かれた腕。
耳元で落ち着き払った男の低い声が響く。
『待たせたな』
その声に踵を返す。が、誰も居なかった。
わたくしは"彼"の痕跡を手に取り呟いた。
『そう、涙はすでに渇れている』
白昼夢?いや、フィクションだよ