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Posted by ミリタリーブログ at

2015年04月14日

Love me softly

わたくしは目を閉じ虚空を見上げ、細く長く息を吐いた。
ランチタイムもあと少しというタイミングで起こった悲劇を、忘れようと、思い出そうと。

いつもと変わらぬワークタイム、わたくしは昨日からの憂鬱な雨に悪態をついていた。
何も変わらない、いつもの雨の平日だ。
時計の針は11時と少々を示していた。
そして、いつもと変わらぬ"弁当のデリバリー"が入室してきた。
そう、いつも通りの時間。弁当を休憩室に置き、会釈をし黙って退室する・・・
あれっ?青年はドアの前で立ち止まり、ゆっくり振り返る。
『寒いですね・・・またニットキャップに逆戻りですね・・・』
あぁ?わたくしの頭の事か。先日までの暑さにガテン兄さんよろしく、頭にタオルを巻いていた。
確かに今週の涼しさは体調に気を配りたい。

が・・・何故、お前さんがそれを知っている?普段、お愛想のひとつも言わず
去って行く商売っ気の無い青年が。

いぶかしがるわたくしに"ゾッとするような"笑顔を投げつけ、こうのたもうた。

『タオル姿も似合いますけど・・・やっぱりニットキャップの方が似合いますねっ・・・ふふっ言っちゃったぁ!!ありがとうございましたぁ!!』

わたくしは全身の脱力感と同時に身に迫る危険を感じた。

「間違い無い。アイツは・・・だ」

わたくしはこう見えても(見えないけど)所帯持ちだ。
15年になる。中3の娘もいる。何故わたくし?いままで二丁目だって笑いながら闊歩していた。
何故だあぁぁ!!

わたくしは帰宅するなり、出来うる限りの安全策を施した。

勿論、こいつらもフルロードだ。


何故こんなに狼狽してるかって?

そりゃわたくしより縦も横もフタ回りデカイ奴なら、あなただってそうするだろうよ。  

Posted by てっぽさん at 23:02Comments(2)ショート・ショート