2012年09月10日

カメレオンじゃねぇんだ!そうあっちこっち見えねぇのさ!!

先週のいつだったかこんな紙切れを見た。
『てっぽさん(本名) 〇月〇日までに提出お願いします。 総務課 お局(本名)  追伸 必ずお願いします』

『ふぅ~ん・・・』いつもの如くその紙切れは書類の地層の中に埋没していった。きっと立派な化石になるに違いない、そう思っていた。
こんな風体だが(見えないけど)お局だけはニガテだ。50手前の彼女はいわゆる"オンナ"を武器にしない正統派だ。本来なら正攻法で来る相手は得意とするが、我社のガニーとお局だけはなぜかニガテなのだ。
社歴はほぼ同じ、階級も同じ。だがわたくしと決定的に違う部分がある。それは「恐怖」だ。我々生き物は根本的に恐怖を克服できない。それは訓練や慣れによって薄らいだり、忘れかけたりするが、ニンゲンがそうやって手に入れた偽りの強さはメッキが剥がれた時、さらに倍増する。それが恐怖だ。
これは恥ずべきコトでも何でもない。生き物として持っていなければ生き残れない防衛本能の一部だ。
まぁそんなコトはどうでもイイ。お局様はおそらく生まれたときからその「恐怖」を自在にコントロールし与えるエキスパートだ。

なので、こう言い換えられる。「お局様」ではあるが「女王様」と・・・。

かなり脱線したが、話しを元に。そんな女王もといお局は仕事をきっちりやるが、どこか快楽的に他人をいじめるのが好きなようだ。
ただし、彼女にもニガテはある。ノラリクラリとした昼行灯タイプはニガテらしい。風の噂で聞いたが、『昭和のいい加減 漢』我が上司と『平成のいい加減 男』わたくしだ。
この2人が揃いも揃って同じ部署だ。なので、よほど重要な案件でもないかぎりお局様は「使いの者」を寄越す。
しかし今回は本人が直筆のメモを残すくらいだ、さぞ重要なモノなんだろう。中身は知らんけど・・・オイオイ

そんなイイ加減コンビではあるが、こう見えても(見えないけど)忙しい。仕事は手を抜かない。むしろ速攻で仕上げてゆっくりする。そんなリラックスタイムばかり目立つので遊んでるようにしか見えないらしい・・・本当だよ。仕事終わってから遊んでるんだよ。

まぁそんなだからワークタイム中は地獄耳にデビルアイをフル動員して監視するタイプのお局には1/f揺らぎなんて理解できまい。
ひとそれぞれだからそれはイイ。だが、ひとたび隙を見せれば喉元に鋭いキバを突き立てるハンターでもあるのだ。
仮にある提出書類が明日までとしよう。しかしウッカリてっぽさんは忘れてしまった。初めて忘れたとしよう。お局様の声はこうだ

『てっぽさんていつも忘れるよね。いつもね。』 二回言うところが玄人だな。

このテの冤罪を被った輩は数知れず。しかし、皆泣き寝入りだ。そうならないために皆「ミスをしない・必ず期限までに」を鬼のように守る。例え本業が圧していても提出は義務なのだ。
だんだんよく解らなくなってきたが、「おっかないオバチャン」がいるのは確かだ。

そして時間(とき)は流れた・・・いつものように意気揚々と出勤する。日勤の若者が駆け寄る。『まずいですよ!!お局カンカンでしたよ』 『・・・?なんで?』訝しげるわたくしを珍しく残っていた上司が高笑いしながら言う

『はっはっはっはっは・・・やっちまったなぁてっぽぉ!!俺もだぁ!!』 やはりな。

いつも忘れる事になってるんだしイイか。

この隙間に挟まってた気がするんだ・・・


Est-ce que tu peux vaincre la peur?

残暑が続いております。皆様、御身体ご自愛下さい。

皆様との幸せな時間がいつまでも続きますように

ではでは




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