2012年07月20日

コレは何もかも実験である。

ある日、いきつけのカフェに昼飯を食いに行った。あいかわらず「サウナの常連オヤジ」のようなギャルソンエプロンでマスターは迎えてくれた。
が、いつもと違い表情がさえない。『どした?オヤジ』わたくしはマスターとは決して言わない。彼もわたくしの呼び方は気に入ってくれているようで、かれこれ10年以上この呼び方だ。『いやね、奥のテーブルのお客さんがさぁ・・・』マスターは軽くアゴで合図する。
どおやら奥の席の4人のJKらしいが、やつらが何かしたのだろうか?よくよく聞いてみると「マイ七味」が気に入らないらしい。
わたくし的には、本当にそんな連中が存在する事自体が驚きで、テレビの中の空想の産物なのだと思っていた。が、ソレは間違えなく目の前に存在した。
なんとかして写真に残したいが、さすがに無理なのでそこはガマンしたが、それ以外はわたくしに何のメリットも無い集団なので
思わず『いんじゃない。好き好きで』と至極素直なコメントを述べたが、マスターはレオンの自爆で吹き飛ばされる寸前のスタンスフィールドみたいな顔で『ウソ~ん』と呟いた。

確かにマスターの作る食い物は美味い。しかも安い。だが、ここは高級レストランでもなければ、ジャングルのド真ん中でもない。
「マイ七味」が店的に都合が悪いなら断ればいい事だし、そうでないなら放っておけばいい。
マスターの言い分はこうだ。『私の料理は確かに高級じゃあない。ただ皆さんに喜んでもらいたくて、おいしくなるように一生懸命作ってる。それを味がわからなくなるほど辛くしてほしくないんだ・・・』長い。どうでもいいがブレンドはまだか?
だんだん面倒臭くなってきた。しかも腹が減っている。早くケリをつけたいので、ヤツらはどんだけ辛くしているのか聞いた。
『テーブルに置いてあるタバスコは新品だったけどカラになってる。それに個人個人七味をかけてる・・・』
・・・泣きながらトーニに諭されるマチルダのようにわたくしは話しを聞いていた。チラ見すると確かに鮭とアスパラのクリームソースは何故かトマトソースになっていた。
マスターは溜め息をひとつするとわたくしに言った。
『気を取り直して飛び切り美味いモノを作るよ。今日のオススメは朝一番で収穫したフルーツトマトのポモドーロだよ!!』
マスターに笑顔が戻った。

だからわたくしは答えた。

『いいねぇトマト抜きのポモドーロをもらおう』

Je suis gentil aux fesses.

ちなみに辛いものはニガテだ。

ヘタなモン入れたらデカいのケツにぶち込んでやる。

いい香りの包まれた午後に



皆様との幸せな時間がいつまでも続きますように

ではでは




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