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Posted by ミリタリーブログ at

2012年10月18日

「ブラックコーヒーをくれ。砂糖入りで」

すっかり体調も良くなった。しかし雨がザーザーだ。今年は台風やらスズメバチやらの当たり年らしい。近所の"奉仕活動"の際もいくつか巣を見かけたが、敵わないので家主に話しをし市役所に連絡するよう促したのを思い出した。

いつだったか雨どいを直してくれって依頼してきた家の稼業が「大工」なんてオチがあったが、そのじいさんと我が家の前でばったり出くわし(近所だから2日に一度くらいは会うけど)話し込んでいた。
『あれから体調はどうだい?』以前、ヘルニアだかなんだかで入院していたじいさんだが、前より"活きがいい"本当に腰ヤッちまったのか?と思うくらいヒョコヒョコ動いている。まるでわたくしが子供の頃、校門の前で売ってたカラフルなヒヨコのように・・・そこまでかわいくないな。
じいさんは『あぁこの通りさ。軽い軽い』このままハシャギ過ぎて我が家の前から救急車なんて事になってもらっては、有らぬ噂が駆け巡るので、ここらで止めておいた。

今後の祭りの担い手や地域の高齢化、意外なほどじいさんはこの街を愛し、そして憂いていた。気さくな面白じじいなんだとばかり思っていたが少々関心してしまった。(失礼な話しだ)
『そういや、てっぽちゃんも風邪ひいたんだってぇ?こりゃぁうつっちゃかなわねぇねぇ。ごめん下さいしようかなぇ』どこで仕入れたのか誰かに風邪ひいたなんて言った覚えは無い。このじじいも「只者では無い」のだ、年寄りのネットワークは範囲こそ狭いが、恐ろしく情報が早い。いらん事知られる前にこっちが「ごめん下さい」だ。
『そうだね。だいぶ涼しくなったから、じいさんも風邪ひくなよ』適当に切り上げようと言葉を選んだ。
『ああ、年寄りは風邪を甘く見られねぇからねぇ。ハッハッハッ・・・』水戸黄門バリの笑いでじいさんは軽妙にターンし引き上げにかかる。
さて、夕飯は何をこしらえようかな?なんて我が家に引っ込もうとした、その時。やおら振り返ったじいさんの吐いた言霊に震撼する。

『そぉ言やぁ雨どいはいつ直しに来てくれるんかね?』

じいさん・・・お前様は大工さんじゃ御座いゃせんか?

なんでも今でもアナログな"墨壷"を使うらしい・・・


L'horloge n'est pas vendue dans le patisserie.

皆様との幸せな時間がいつまでも続きますように

ではでは  

Posted by てっぽさん at 22:58Comments(3)ショート・ショート