一握の弾丸（いちあくのたま）

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お陰様でわたくしの体内の小さなメタ●ギア退治が終わった。
今日、医者と言う名の大佐から診察室と言う無線で聞かされた。

『てっぽさんよお前は自由だ』

今までもこれからも何が変わるわけでは無い。しかし行動に制限の無い事はこの上ない喜びだ。

しかし油断はいけない!!いつ誰の元にインフルエンザ型メタ●ギアが表れるかは誰にもわからないのだから。

『てっぽさん!!あっちにメタ●ギアが表れたよ!?早くっ』

オタコン待ってろ今行く!!
おっと、心配かけた皆さんありがとう。また、宜しくな!!

『…オタコンこいつの弱点を教えてくれ…』

画像は…去年のしか無かった。


多方面に多大なご迷惑をお掛けし、たくさんのお見舞いのお言葉を頂き、心より感謝いたします。
一握の弾丸(いちあくのたま)は現時刻をもって平常運転を再開いたします。
これからも宜しくお願い致します。  

既に何日経過しただろうか？
感染者を増やさぬ為に始めた自己監禁生活。
よく小説にあるように時間や曜日の感覚は大分鈍り、こうして携帯を開いても意図的に時間や曜日を見ない自分がいる。
初期症状よりも大分緩和された気がしたため、意を決しシャワーを浴びる事にした。
毎日タオルで身体を拭いてはいたが精神的に限界だ。
何か変化が欲しい。数日ぶりに鏡に対峙した。鏡には顔色の悪いヨレヨレモヒカンの髭が睨んでいた。

『いくらかやつれたなオイ!!』

力無く声をかけてみたが鏡の主も機嫌が悪そうだった。
着ているモノを端から脱いでいく。着たのは自分だか本人も驚く量の衣類が足元に広がる。
もう一度鏡に目を向けた。
元々ジャイアント馬場体型だが、更にジャイアントな塩梅になっていた。

蛇口を捻る。
病人に容赦無く熱い湯が降り注ぐ。生体反応がいまいちなのか、あまり熱くも感じ無い。
ただ、ひとつだけ言えるのは“生きているニンゲン”に一歩近付けた。これだけは喜ばしい事だ。
早めに切り上げ、狂ったように身体を乾かす。これで振り返しては元も子もない。
頭の中だけはスッキリしないままベッドに戻る。

シャワーを浴びながらもずっと考えていた。
怠けるとアッと言う間に衰える我が身。怠けたワケでは無いがアレは酷い。まるで爺さんじゃないか…

ただ、ここまで来たからには、後は回復しか残っていない。
考えてみろ。そう、後のお楽しみってヤツを…  

エライ事が起きたニュアンスだが実は大した事ではない。
我が家には4台エアコンがあるが3台が全く同じなので困らない。しかし、各1つづつ揃えられたモノを
自由に使いたい欲求は4ヶ月ほど続いた。

『インフルエンザ立入禁止』

やることが無いのでベッドと壁の隙間に手を入れてみた。
指先の感覚だけで旅をするようで何とも言えない。
ふと未知の物体が爪に当たった。
格闘すること2秒。半年ぶりの再会

『…。』

そこに言葉は無かったが感動も無かった。

ひとつだけやりたい事があるんだ。
今、うちにあるマルイのショットシェル30個
全て手でひとつひとつプチプチ弾込めしたい。

その位、暇だって話し



全ての狩人に至福の時を

ではでは